エジプトの古代墓地サッカラで、古代エジプトの墓が発掘され、墓碑銘に「王の命令の秘密を守る者」と記された被葬者セクヘンティオ=プタ(Sekhentio-Ptah)の名が確認されました。出土品には供物台や浄化用の盆、二つの偽扉(神や死者への入口を象徴する石の扉)、100点以上のシャブティ(遺族が代わりに働くとされる小像)や木製のファルコン(ハヤブサ)像、カルタヌージュ(紙や布を漆で固めた副葬品)片が含まれます。墓の時代は第5〜第6王朝、約4350年前と推定されています。
「秘密の守り手」と聞くと物語じみた役割を想像しますが、専門家の指摘ではこの肩書きは宗教的・事務的な役職を示す官僚的表現の可能性が高いとされます。古代エジプトでは王の命令や聖なる儀式に関わる文書管理や秘儀の維持を担当する役職が存在し、その肩書が墓碑に刻まれることは名誉の証でもありました。
発掘では墓の再利用の痕跡も見つかっています。これは後世の人々が同じ墓を再び使ったり、副葬品が追加されたりしたことを意味します。出土品の量と種類から、被葬者は一定の地位を持った人物だったと考えられますが、実際にどのような業務をしていたか、また遺体(ミイラ)の同定や詳しい保存状態、発掘チームの詳細な報告や公式写真の公開などは、現時点で公開資料に限りがあり、今後の学術報告を待つ必要があります。
日本の読者にとって興味深い点は、肩書きが「秘密を守る」と表現される文化的な差です。現代の「秘書」「守秘」感覚とは違い、古代では宗教的・儀式的責任や王室文書の管理が「秘密」に直結して称賛されたことが分かります。今回の発見は、古代の官僚機構や死生観、墓の使われ方を理解する手がかりになりますが、過度な神秘化は避け、今後の学術発表で明らかになる詳細に注目したいところです。
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