チリ北部のアタカマ砂漠で、普段はほとんど雨の降らない地面が一転して色とりどりの野生花で覆われる現象が起きています。原因とされるのは、今年発生した非常に強い「スーパーエルニーニョ」に伴う記録的な降雨です。世界で最も乾燥した地域の一つが短期間に緑と花で満ちる様子は、見た目にも異様と言えます。
通常、この地域の年間平均降雨は約0.6インチ(約15mm)とされますが、報道では一部で7インチ(約190mm)以上を記録した地点があったと伝えられています。土の中で長く休眠していた数百万もの種や球根がこのまとまった湿り気で一斉に発芽・開花するため、広範囲で「desierto florido(花の砂漠)」が出現したとされています。
この現象自体は過去にも記録があり、短期間で終わることが多い点が特徴です。報道写真(Getty Images撮影のJavier Torres氏の画像が紹介されています)からは、道端や丘陵が鮮やかな色に染まる様子が確認できますが、学術的な長期観測や詳細な降雨分布のデータは公開されている範囲が限られます。また、「最も広範に開花したのは1997年以来」といった比較情報については、現時点で一次資料を直接照合しておくべき点が残ります。
興味深いのは、同じ気候現象(エルニーニョ)によって極端な乾湿の振れが生じ、世界の“最乾燥地帯”でも短期間だけ生態系が激変することです。とはいえ、この花の洪水は時間的に儚く、数週間から数か月で消えてしまう可能性が高いと報じられています。観光や立ち入りに関する現地ルールや保全措置についても報道の範囲では不明な点があるため、訪問を考える場合は現地公的機関の最新情報を確認する必要があります。
今回の一斉開花は、気候変動がもたらす極端気象と生態系の反応を目に見える形で示す出来事でもあります。短期間に現れ、消えるその姿は美しくも脆く、なぜ毎回同じ規模にならないのか、詳細な雨量分布や植生の反応がどう違うのかといった点は、まだ研究や記録の蓄積が待たれるところです。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。