最近の研究は、私たちが「動物がいつ生まれたか」についての常識を揺るがす可能性を示しています。米国の研究チームが、公表された化石記録の欠落や採掘の偏りを統計的に考慮に入れた解析を行い、動物(多細胞動物)が従来より最大で約2億年さかのぼる、約8億〜7億年前に起源を持った可能性を示唆しました。これは地球が極地まで凍ったとされる「スノーボールアース」と重なる時期です。\n\n普通ではない点は、「化石が見つかっていない=存在しなかった」と安易に結びつけていた過去の考え方を疑うところです。化石は作られやすい環境や発掘の偏りによって出現が大きく左右されます。研究者たちは、そうした“見えない空白”を数理モデルと分子時計(遺伝子の変化速度から年代を推定する方法)で補正すると、動物の起源推定が大きく前倒しになると述べています。\n\nただし、この結論は確定ではありません。該当研究は科学誌に掲載されていますが、研究者自身も「追加の化石証拠や他手法での検証が必要」と慎重に述べています。特に、どの分子時計モデルやデータを使ったかなど手法の詳細によって結果は変わり得ます。現時点で確認できるのは「化石記録の欠落を考慮すると起源の推定がかなり古くなる可能性がある」という点までです。\n\nこの話が面白いのは、地球史の大きな節目――極端な気候変動が起きた時期と多細胞生命の誕生が重なる可能性が出てきたことです。もし起源がさらに古いなら、動物の初期進化は私たちが想像していたよりも困難な環境で始まっていたかもしれません。とはいえ、化石の発見や別の解析で結論が修正される余地が大きく、現段階では「有力な仮説の一つ」として受け止めるのが適切です。
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