アメリカとカナダの家庭猫の糞便約157,000件を調べた大規模調査で、寄生虫Giardia duodenalis(ジアルジア)が猫の約6.3%で検出されたと報告されました。検査はPCRという遺伝子を調べる方法で、陽性は9,962件にのぼります。さらに陽性サンプルのうち18.5%は「AまたはB」と呼ばれる系統で、人へ感染する可能性があるとされ、全体では約1.2%の検体が人に感染しうる系統を含んでいたとしています。出典は学術誌PLOS Oneを引用したScienceAlertの記事です。
ここで普通と違うのは、「猫が必ず人にうつす」という意味ではない点です。調査は糞便の遺伝子検査で系統の存在を確認したにすぎず、実際にどれだけ人に感染して症状を出すか、感染経路がどう明らかになるかは別問題です。元研究は系統分類と分布(年齢、地域、季節、去勢状況など)も報告しており、幼猫で高率になりやすいなどの傾向が示されています。
重要な未解明点も残ります。論文の検査手順や系統判定の詳細、サンプル採取元の偏り(どのような飼い主が提出したか)や、実際に人での臨床報告がどれほどあるかは、記事段階では十分に示されていません。ScienceAlertはPLOS Oneを根拠に注意を促す立場ですが、「人に感染する系統が一定割合で見つかった」という事実を、過度に恐れる理由にはなりません。
現時点での現実的な対策は、免疫が弱い人や幼児がいる家庭での手洗い、猫のトイレや排泄物の適切な処理、定期的な動物病院での相談や検便の検討といった基本的な衛生管理です。研究は大規模で注目に値しますが、「人に感染するかどうか」の実態や公衆衛生上の影響は、さらなる臨床データや方法論の精査が必要です。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。