車が鹿に突っ込んだ後で男性が感染 希少な“ツラレミア”の実例

ドイツで、39歳の男性が車でローバック(ヨーロッパに多い小型の鹿)に衝突し、顔に裂創(切り傷)ができました。事故の際、動物の血液や内臓の一部、土が傷口に混ざったと報告されています。

事故後、男性は発熱し、目の周りに病変が出て、首のリンパ節が腫れて痛みが出ました。さらに複数の膿瘍(膿がたまる塊)ができ、病状は進行しました。

膿瘍の中の液体を検査したところ、Francisella tularensis(フランシセラ・ツラレミア)という細菌が示唆されました。この菌は一般に「ツラレミア」と呼ばれる感染症の原因菌です。

ツラレミアは野生動物や昆虫を通じて人にうつることがある病気で、通常は野生動物に直接触れたり、ダニやハエなどに刺されたりして感染します。人から人へ広がることは稀です。

今回のケースでは、事故で動物の体液や汚れが創部に混入した点が感染のきっかけと考えられます。ただし、病原菌の同定方法(培養や遺伝子検査など)の詳しい手順や、発生地域のさらに詳しい情報は元論文を参照する必要があります。

治療はシプロフロキサシンという抗生物質で行われ、男性の症状は改善しました。適切な抗生物質を使えば回復する例が多いのがツラレミアの特徴です。

今回の報告は、車と野生動物の衝突という“日常的”な出来事が、思わぬ感染リスクにつながることを示しています。野外で動物に接触したときや、動物由来の体液で傷が汚れた場合は、早めに医療機関で診てもらうことが重要です。

この記事はScienceAlertによるまとめと、Lancet Infectious Diseases に掲載された症例報告を基にしています。原論文の詳細(著者名や具体的な検査法、発生地域の明示など)は元論文での確認が望まれます。現時点で公衆衛生当局からの広範な警告が出ている、という情報は示されていません。

日本ではツラレミアは比較的まれで、野生動物との直接接触が少ない都市部では馴染みが薄い病気です。それだけに、こうした“車と動物の事故”が感染源になるという話は驚きがあり、誰にでも起こり得る注意点として覚えておくと良いでしょう。

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