コスタリカ沖の深海(水深360〜529m)で、これまで知られていない外見と遺伝子を持つ八放(はちほう)サンゴが見つかりました。研究チームはこの個体をLaurinque elenyaと名付け、既存のどの科にも当てはまらないため新しい「科(Laurinqueidae)」を提案しています。見た目は「黄金の樹」のように枝分かれし、長く目立つポリプ(触手の付いた個体部分)を多数出すのが特徴です。
普通のサンゴと違う点は形だけではありません。遺伝子解析でも既存グループと一致せず、分類学的に大きく外れていたため、科のレベルで新設が検討されました。科学の系統樹(生物の進化関係を示す図)に新たな枝を作るほどの違いがあった、ということです。
発見場所は光がほとんど届かない「トワイライトゾーン」にあたり、水温は低く酸素も少ない環境です。それでもこのサンゴは群落を作り、他の生物にとっての住処や餌場になっているらしく、深海の生物多様性を支える重要なハビタットになっている可能性があります。
確認されている事実は、採集深度、形態の特徴、遺伝子解析の結果、そして学術誌ZooKeysでの新種・新科提案です。ただし、論文の正式なDOIや詳細な生息域(コスタリカ以外の報告があるか)は現段階で慎重に扱う必要があります。別海域での出現が確定すれば、分布や進化の謎がさらに膨らみます。
この発見が面白いのは「見た目が派手」なだけでなく、深海にまだ分類学的に未知の大きなグループが残っている可能性を示した点です。低酸素・低温という厳しい環境で独自の形質を進化させた背景や、生態系での役割は今後の観察で明らかにされるでしょう。現時点では謎が多く、深海の“異様さ”を代表する出来事と言えます。
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