米国の大学チームが、光を当てると見えるようになり普段はほぼ見えない“切り替え式タトゥー”を報告しました。研究者らが作ったPhotoTatは、光に反応する色素を小さな樹脂粒子(PMMA)に閉じ込めたインクで、室内の普通の光ではほとんど目立たず、365nmの紫外線を当てると発色する仕組みです。シリコーン模型や豚皮で青・マゼンタ・黄の三色を組み合わせたパターンを示し、単一の人間被験者で1.4〜2.2年にわたる光応答が観察されたと報告されています。
普通のタトゥーと違うのは「見えるか見えないかを光で操作できる」点です。服や照明で隠せるだけでなく、特定の光でだけ浮かび上がるため、デザインや本人確認、芸術表現など新しい用途が想像できます。一方で実用化には大きな課題があります。被験者は1名のみで、毒性や長期的な健康影響、滅菌や製造品質の独立検証は未完です。PMMA自体は医療用途の歴史がありますが、PhotoTatとしての安全性は別問題です。
さらに屋外の太陽光に含まれる紫外線で色が中間状態になること、肌の色が濃いと発色が見えにくいことも確認されており、屋外使用や多様な肌色への対応は未解決です。論文は学術誌に掲載されたと伝えられますが、共著者や掲載情報の正式確認、規制当局の見解、追試データはこれからです。
結論として、光で“ON/OFF”できるタトゥーは現実になりつつありますが、健康・安全面と実務的な使い勝手に関するデータが限られ、現段階での実用化や商業展開には慎重な評価が必要です。奇抜な発想の一方で、未検証のリスクが残るという点がこの研究の最大の特徴です。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。