徐々に歩けなくなった女性、診断は“100万に1”とも言われる自己免疫性の病気だった

米ニューヨーク在住の50歳女性が約5年かけて下肢のこわばりと歩行障害を悪化させ、最終的に「硬直人症候群(Stiff Person Syndrome:SPS)」と診断されたという報告があります。SPSは筋肉が慢性的にこわばり、動きが制限される稀な神経疾患で、自己免疫反応が関係する場合に抗GAD抗体という血液マーカーが高値を示すことがあります。

このケースの普通でない点は「進行が遅く、原因が見えにくい」ことです。初期は軽いこわばりや違和感で済むため、整形外科や一般的な神経疾患の検査で見落とされやすく、診断までに長い時間がかかることがあります。今回の例でも症状が数年続いてから抗GAD抗体の検査で診断につながりました。

治療は免疫の暴走を抑える方法が中心です。報告では静脈免疫グロブリン(IVIG)点滴、リツキシマブ(免疫を抑える点滴薬)、ステロイドなどが用いられ、症状改善が見られたとされています。ただし、個々の効果や副作用、改善の程度は患者ごとに異なりますし、長期的な経過については十分に確立された結論は出ていません。

今回の情報は具体的な一症例に基づく報告で、SPS自体が極めて稀な疾患である点は強調する必要があります。診断や治療は専門医の判断が不可欠で、同様の症状がある場合は自己判断せず神経内科など専門医の受診が重要です。不可解さは「普通の検査では分かりにくい希少疾患が日常生活を蝕む」点にあります。

上部へスクロール