アメリカの研究チームが、平均年齢23歳の若年成人1,283人を調べたところ、心・腎・代謝(CKM)関連のリスクを抱える人が多く、頸動脈(首の血管)の損傷を示すサインが高頻度で見つかりました。最大で約8割がAHA(米国心臓協会)が定義するCKMの範囲に入ると報告されています。
CKMとは「cardiovascular-kidney-metabolic」の略で、心臓(cardio)・腎臓(kidney)・代謝(metabolic)に関わる病気やリスクをまとめた概念です。AHAは2023年にこの考え方を提示し、生活習慣や代謝異常が心血管だけでなく腎機能にも影響する点を重視しています。
今回の研究では、CKMリスクが高いほど頸動脈の「早期損傷」を示す指標が多かったとされています。頸動脈の損傷は将来の心血管疾患リスクと関連するため、若いうちからの注意が必要だというのが研究の主旨です。
ただし注意点があります。調査対象は都市部で社会経済的に不利な背景を持つ人が多く、食事や運動のスコアも悪い傾向があったと記事は伝えています。つまり「若者全体に同じ割合で当てはまる」と安易に結論づけるのは妥当ではありません。
さらに、ScienceAlertの記事は元研究が学術誌Circulation: Population Health and Outcomesに掲載されたと紹介していますが、この記事だけでは研究の選び方(どのように1,283人を集めたか)やCKM分類の厳密な基準、頸動脈損傷の測定方法など細かい点は確認できません。原論文の詳細と統計処理を見れば解釈が変わる可能性があります。
それでも興味深いのは「若年でもCKM関連の問題がかなり見つかり得る」という指摘です。日本でも生活習慣の変化や都市部の若者に当てはまるリスク要因はあり、完全に他人事ではありません。
要するに、この研究は若年層の健康リスクに注意を促す重要な警告となり得ますが、『若者の8割に血管損傷がある』といった単純な結論は避けるべきです。今後はより広い地域や多様な背景の集団での再検証が待たれます。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。