アメリカ発の調査で、ダークウェブ上の販売サービス「Nexus」が1億5300万件以上の運転免許証(スキャン画像)を並べて販売していると主張していることが明らかになりました。問題のデータには米国とカナダの免許が含まれるとされ、身分証の大量流通という点で常識外れの規模です。
調査を報じたセキュリティサイトは、複数の被害例を照合できたと伝えています。具体的には著者自身や協力者の免許スキャンがNexus上にあり、写真のタイムスタンプやオンラインでの行動履歴と一致するケースが確認されました。これを受けて、ニューオーリンズを拠点とするFBIが本件について照会・捜査を始めたと報じられています。
捜査の焦点となっているのは、ID検証サービスを提供する米企業(調査ではidscan.netが疑われていること)が侵害の流出源ではないかという点です。idscan.netは調査に対して回答を出しており「調査中」との趣旨が伝えられていますが、技術的に流出元を確定する第三者の公的な報告は現時点で公開されていません。
今回の事案が普通でない理由は二つあります。第一に「身分証そのもの」の流出は個人のなりすましや金融詐欺で直接悪用されやすく、被害の影響が広範囲に及ぶ点。第二に、スキャン画像という高精度の個人データがマーケットで“商品”として大量に並ぶという商慣行自体が異様だからです。
なお、Nexusは報道後にダークウェブ上でサイトが消え、『サービス終了』を示す表示が出たとの記録がありますが、流出の正確な経路、被害の内訳(重複や地域別件数など)、FBIの捜査の具体的な進捗は公開情報ではまだ限定的です。
日本の読者にとっての珍しさは、身分証のデジタル化が進む中で「ID画像そのものが商品化」される点でしょう。日本でもマイナンバーや運転免許をスキャンして本人確認するサービスが増えていますが、その供給側の管理が破られた場合のリスクの大きさを改めて示す事例です。現時点では複数の確認例とFBIの関与が報じられているものの、流出元の法的確定や被害全体の精査はこれからです。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。