たった数行の“シェーダー”でMacがデスクトップごと固まる技術検証 — WebGPUの盲点?

最近、あるセキュリティ研究者が公開した検証で「単純なWebページ上のシェーダー(画像処理などを行う小さなプログラム)」が、Mシリーズ搭載のMacでデスクトップ全体を操作不能にする事象が報告されました。普通、ウェブページの不具合はブラウザのタブだけに影響しますが、今回は画面の合成やウィンドウ管理を担うシステム側が応答しなくなり、再起動が必要になる点が異様です。 

問題を引き起こしたのはWebGPUというブラウザ向けの新しいグラフィックスAPI上で動くシェーダーで、無限ループと「共有バッファ」に依存する処理を組み合わせたものです。研究者は自らのMシリーズMacでChrome、Firefox、Safariの複数ブラウザで再現したとし、ソースコード(シェーダー含む)とデモを公開しました。過去の類似事例(2023年のShadyShader)との比較も行われています。 

確認されている範囲では、問題はIntel搭載など一部の他OSでは再現しなかったとされ、現象はハードウェア構成やOSのグラフィックス実装と密接に関係する可能性があります。研究者は2026年7月にAppleへ報告し、Apple側は再現を確認したが高優先度の修正は行わない旨を伝えられた、と主張しています。 

ただし未確定の点も多く残ります。Appleや各ブラウザベンダーによる正式な脆弱性番号(CVE)や修正予定の有無、別モデルの独立した追試結果、公開デモの安全性(実行不能化の有無)などは明確に確認できていません。元情報には実行可能なコードやデモリンクが含まれるため、本記事ではそれらを示さず、実行を試みないよう強く注意します。 

今回の事例が示すのは、ウェブの「コードがそのまま機器の動作に及ぼす」リスクです。WebGPUは高性能な処理をブラウザで可能にしますが、低レイヤーでの不具合がOSの重要部分に影響を与えうる点は、開発者やベンダーが慎重に扱うべき課題と言えます。どこまでが実際の脆弱性で、どの範囲の環境で再現するのか──その検証が今後の焦点になります。

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