図書館の本の隙間から発見――1700年前の『オデュッセイア』羊皮紙断片の意味

オランダ・ユトレヒト大学の古文書コレクションから、約6.6×7.7cmの小さな羊皮紙断片が見つかりました。断片にはホメロスの叙事詩『オデュッセイア』第12巻の一節が書かれており、研究者は紀元約300年ごろのエジプト製“携帯版”写本の破片と推定しています。発見を報告した研究者の一人にMark de Kreijの名が挙がっています。\n\n普通ではない点は「図書館の棚の中」や「本のページの隙間」といった、学術コレクション内部の日常的な場所から極めて古い写本断片が出てきたことです。古代ギリシャ文学の原本に近い時代の写本は世界でも非常に希少で、保存状態や文字の筆写体(手書きの特徴)から年代や産地を推定する手がかりになります。\n\n今回の発見はロマンがありつつも、まだ明確でない点が残ります。断片がいつ、どのようにコレクションに収められたか、その来歴(プロヴェナンス)や放射性炭素年代測定などの学術的な詳細は、現段階で公開された資料に限りがあります。研究チームは論文化を予定しており、査読付き報告が出れば筆写体の分析結果や年代測定の有無などが明らかになるはずです。\n\n当面確認できるのは「ユトレヒト大学所蔵のコレクションで古代の『オデュッセイア』断片が確認された」という点のみ。日常の書棚から歴史的遺物が見つかるという出来事は、保存・管理の歴史や収集の過程にも光を当てる材料になります。正式な出典(大学の公式発表や査読論文)が公開されれば、断片が持つ学術的価値や物語の背景がさらに詳しく分かるでしょう。

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