ペルー北部、カハマルカ高地のWancasanga遺跡で、円形の貯蔵庫(colcas)が弧を描く列で並び、石造りの通気構造とみられる遺構が確認されました。発掘を率いる「Wancasanga 2026 Archaeological Research Project」の関係者は、高地の強い風を利用した自然換気・冷却で食料を長期保存していた可能性を指摘しています。標高は約3,400メートルです。
普通ではない点は、単なる貯蔵穴ではなく「空気の流れを意図的に作る構造」があると考えられていることです。インカや先行するアンデス文化にはcolcasという貯蔵施設の例が知られますが、今回のように風を取り込む石造ダクトを伴う大規模な配置が見つかる例は少ない、と報告側は述べています。
出土品としては陶器片(aryballosの破片など)が挙がり、集中的な貯蔵施設であったことを示唆します。ただし、現時点で学術誌に掲載された査読済みの発掘報告書や詳細な測定データは公表されていません。通気構造がどの程度効果的に空気を動かしたのか、風向・風速の現地データや模型実験の有無も未確認です。
背景には、アンデス高地での食料保存の必要性があります。高地は昼夜の温度差が大きく、風も強いため、自然条件を利用した保存法は合理的です。今回の発見は「環境を利用した知恵」が具体的な建築で実現されていた可能性を示しますが、結論は慎重に扱うべきです。公式報告の公開や専門家による詳細な解析を待つ必要があります。
日本の読者にとって興味深いのは、現代の冷蔵技術がなかった時代に「風を制御する設計」が実用化されていた点です。まだ未解明の測定データや図面が出てくれば、当時の技術理解がさらに深まるでしょう。
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