イヌイトが700年前に彫った“ヨーロッパ人像” コロンブス以前の出会いを示すか

カナダ北部のバフィン島で1977年に見つかった小さな木彫像が、考古学の注目を集めている。高さ約5.4cmのこの彫像は放射性炭素年代で約1350年(およそ700年前)と判定され、胸に十字のある長衣を着た人物を表している。作ったのはイヌイトの先住民とされ、服装の特徴から「ヨーロッパ人(ノース人=ノルセ)」を描いた可能性が指摘されている。もしそうなら、北大西洋での文化接触がコロンブス以前に存在した証拠の一つになり得る。

ただし、注意が必要だ。彫像が使われた材質は漂着木材で、服の表現や胸の十字をどう読むかは専門家の間で議論が残る。十字が宗教的な印なのか、単なる模様なのかも確定していない。また、年代測定の詳細な誤差範囲や出土の文脈(同じ層から出た他の遺物など)の報告が公表されているわけではなく、一次資料での追加検証が望まれる。

現在、この彫像はCanadian Museum of Historyに所蔵・展示されている。確かな点は「1977年にバフィン島の遺跡から出土した木製の小像で、約700年前の年代が出ている」ことだけだ。そこから「誰を意図して彫ったか」を決めるには、服装比較や他地域での同様遺物の発見など、さらなる証拠が必要になる。考古学的には興味深い手がかりだが、最終的な解釈は慎重に扱うべき話題だ。

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