ノルウェーのオスロ市庁舎にある一枚のフレスコ画が、ちょっとした“確信犯的ジョーク”を隠しているとして注目を集めています。画家Willi Midelfartが1937–38年に制作した『Det gror』という壁画で、描かれた少年が舌を出しながら右側の扉を指差しているのです。通常の装飾ではまず見られない遊び心です。
背景はこう説明されています。当初は左側の扉だけが計画されていましたが、建築側が左右対称に見せるために途中で右扉を追加しました。これに不満を覚えた画家が、壁画の人物を通じて不満を表現した──というのが伝えられている話です。さらに、右扉は隣の部屋を通して確認すると煉瓦で塞がれているとされ、「見せかけの対称」を強調する仕掛けになっているとも言われます。
事実として確認できる点は、作品名・制作年・設置場所(市庁舎2階の宴会場)と、壁画に舌を出す少年の描写、そして右扉が外観上は存在するが内部から見ると塞がれていると報じられていることです。一方で、画家と建築側の具体的な口論や“仕返し”を示す一次資料の有無は明らかではなく、逸話は二次資料を通じて伝わっている段階です。
なぜ普通でないか。公的な建物の装飾で、作者が意図的に建築側へ皮肉を込めるような表現を残すことは珍しく、加えて物理的に扉を塞いで“見せかけ”にしてしまう手口はユーモアと反抗が入り混じった稀な事例です。現地での扉の状態や公式解説は変わる可能性があるため、訪れる際は最新の展示情報を確認してください。芸術の中に紛れた小さな“仕返し”は、公共空間で起きた表現の自由と権力のせめぎ合いを感じさせます。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。