アフリカで初確認、すべての抗真菌薬に耐性を示したカンジダ菌の衝撃

ケニアの病院で、これまでに使われる主要な抗真菌薬すべてに耐性を示す真菌が見つかったと報告されました。対象はCandidozyma auris(旧名Candida auris)という病原性の高い酵母様真菌で、今回の分離株はナイロビの外科創部感染から採取された28歳の女性由来です。問題なのは、試験でアゾール系、エキノカンジン系、アムホテリシンB、フルシトシンという4つの主要クラスに耐性を示した点で、全抗真菌薬耐性(pan‑drug resistance, PDR)と呼ばれます。PDR例は極めてまれで、2022年のニューヨーク報告に続いて世界で2例目、アフリカでは初の公表例です。

研究チームは分離株の全ゲノム解析を行い、ERG11、CDR1、FKS1、FUR1といった既知の耐性関連遺伝子に変異を検出しました。これらは各薬剤クラスに関与する遺伝子で、変異の組み合わせが薬剤に効かない原因になっている可能性がある、と論文の要約は示しています。ただし、変異が直接どの程度の耐性を引き起こすかを示す実験的な機能解析や、患者の詳しい投薬履歴、院内での広がりを示す疫学調査などはこの記事の範囲では詳述されていません。

注目点は、今回の変異プロファイルが米国で報告されたPDR株と異なっていることです。研究者は「独立した進化」で耐性が生じた可能性を指摘しており、耐性が複数の場所で別々に出現し得ることを示唆します。臨床的には治療選択肢が極端に限られるため、迅速な診断と遺伝子監視の強化、病院内感染対策の重要性が改めて浮かび上がります。

ただし、今回の報告は希少例の詳細な記録に基づくもので、現段階でこの株が地域で広く蔓延しているか、変異の機能的因果関係が確定しているかは明らかではありません。報告を受けて公衆衛生当局がどのように対応するか、追加の追跡研究と国際的なデータ共有が重要になります。

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