米国の石炭を燃やした後に残る灰(coal ash)や廃棄物に、スマホや電気自動車に欠かせない希土類元素(REEs)が大量に含まれている可能性が指摘されています。研究者らは「廃棄物が実は資源かもしれない」と報告し、地政学的に中国への依存を下げる材料になるかもしれないと注目しています。
普通ではないのは“産業廃棄物が鉱床になる”という逆転です。通常、希土類は鉱山で採掘して得ますが、石炭を燃やす過程で濃度が上がるため、灰から取り出せれば既存の廃棄場所を資源化できます。2024年にテキサス大学オースティンの研究チームは、米国内の石炭灰に最大で約1000億ドル相当の回収可能なREEsが存在すると推計したと報告しました。
一方、技術的・経済的な壁は残ります。豪モナッシュ大学などは環境負荷の低い酸を使う試験で高い回収率(記事は最大90%と記載)を示していますが、商業規模でのコスト、エネルギー消費、有害副産物の処理といった課題はまだ十分に検証されていません。また、記事で示された金額や埋蔵量の算出根拠、国内の輸入比率といった数字は一次資料での確認が必要です。
注目点は二つあります。ひとつは廃棄物を資源に変える発想そのものが、資源安全保障や循環経済の考え方と合致すること。もうひとつは、実用化できれば希土類の供給構造が大きく変わり得る点です。ただし現段階では「可能性がある」という段階であり、技術的実現性と環境影響の評価が今後の鍵になります。
日本の読者には、石炭灰がただの“ゴミ”ではなく潜在的な鉱床になり得るという発想が意外に映るでしょう。だが、廃棄物からの大量回収が現実のものになるかは、まだ確定していません。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。