深海で“肘ポーズ”を取る奇妙なイカ、北東太平洋で初撮影

米カリフォルニア沖の深海、約3,000メートルの海底付近で、珍しいイカ「ビッグフィンイカ(Magnapinna)」の生体映像が撮影されました。撮影は無人の遠隔潜水機によるもので、研究機関MBARI(モントレーベイ水族館研究所)らによる観察とされています。問題は、このイカが腕と触腕を90度に曲げる“肘ポーズ”を取っていた点です。長い触腕をX字に広げる姿は、これまでほとんど知られていなかった行動の実例です。

映像で確認された個体は全長が約1.25メートルと推定され、海底近くを浮遊しながら獲物を捕らえようとしていると研究者は推測しています。ただし、実際に何を狙っているのか、肘ポーズがどういう機能を持つのかはまだはっきりしていません。

ビッグフィンイカ自体は深海で非常にまれに見つかる種類で、今回の映像は北東太平洋で生体が撮られた初の報告とされています。観察は専門機関の遠隔観測によるもので、映像と位置情報が記録されている点で信頼度は比較的高いものの、行動の解釈や個体の生態的背景には未解明の部分が残ります。

深海生物の観察は撮影条件や個体差に左右されやすく、一回の映像だけで一般化するのは危険です。それでも、長大な触腕と“肘”を使う独特の姿勢は、私たちが抱く「深海の知られざる生活様式」のイメージを強く更新します。今後、同種の追加観察が進めば、なぜこのポーズを取るのかが明らかになる可能性があります。

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