ボリビアの遠隔先住民、認知症が極端に少ない謎――研究者が解明に苦慮

ボリビアのアマゾン奥地に住む二つの先住民集団(TsimanéとMosetén)で、認知症の発症が非常に少ないことが報告されました。5年間の追跡で730人中22人が新たに認知症を発症し、追跡時点での有病率は約2%未満とされます。学術誌に掲載された研究をもとにした報道です。

普通ではない点は「先進国で増える認知症が、極めて低頻度で見られる」ことです。研究者は身体活動量が高い生活、食事の特徴(食物繊維が多く脂肪が少ない)、加えて高血圧や糖尿病など血管リスクが低い点を保護要因の候補として挙げています。しかし、アルツハイマー特有の脳萎縮よりも血管性やパーキンソンに似た所見が多いなど、典型的な欧米型の認知症像とは違う点も指摘されています。

一方で重要なのは因果の不確かさです。死亡率や長期的な生存傾向が結果に影響する「生存バイアス」、集団選択の問題、遺伝や過去の感染歴など他の要因が絡む可能性が残ります。研究の診断基準や年齢分布など方法論の詳細は本文だけでは不足しており、一次論文の詳細確認や他地域での追試が必要です。

この話の面白さは、生活習慣や環境の違いが認知症リスクにどう影響するかという根本的な問いを突きつける点です。だが同時に、先住民コミュニティを「自然な治療法の宝庫」のように単純化して扱わない慎重さも必要です。現時点で確認できるのは「観察された低い発症率」という事実であり、なぜそうなっているかはまだ解明されていません。研究の再現と詳細な解析を通じて、初めて原因の輪郭が見えてくるでしょう。

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