AIによる記事内容のイメージ画像
アメリカの研究チームが、ティラノサウルス・レックス(T. rex)の歯を使って体温を推定し、約97°F(約36.1°C)という結果を報告しました。対象はロサンゼルス自然史博物館が所蔵する標本由来の歯2本で、専門誌に論文が掲載されています。もし正しければ、T. rexは“ワニのような冷血”ではなく、ヒトに近い高い体温を持っていた可能性が出てきます。これは恐竜の生態に関する常識を揺るがす話です。
手法は歯のエナメル中に残った炭素・酸素の同位体比を測るもの。同位体比は物質が作られたときの温度情報を反映することがあり、古い固体から過去の“温度の指紋”を読み取ることができます。今回の研究では、以前より試料を少なく採取できるように方法が改良され、破壊を抑えつつ分析が行われました。
ただし注意点もあります。測定は2本の歯に限られており、誤差や個体差、年齢や季節変動などを含めて種全体に当てはめられるかは確定していません。また、同位体比が示す値をどのように“体温”に変換するかにはモデル化の段階的判断が介在します。論文は査読付き誌に掲載されていますが、追加の試料や別手法での検証が重要です。
それでも今回の成果は、肉食恐竜の生理をめぐる議論に新しい視点を与えます。もし多くの標本で同様の結果が出れば、ティラノが活発な恒温動物に近かった可能性が高まり、生態や捕食行動の再評価につながるでしょう。現時点では期待と慎重な検証が並立する段階です。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。