イギリスの17世紀文献に由来するとされる暗号文「Cyphral Distich」を、AIモデル『Claude Fable 5.1』が新しい手法で解読したと報告されています。問題の暗号は64桁の数字列で、今回の復号は「書中の段落やページを鍵にする」方式──要するに本そのものの配置を手がかりに平文を割り出すという点が普通ではありません。
報告を出したのはvals.ai。記事では具体的な復号手順、64桁の暗号文、復号結果の英語平文(王政支持の祈祷文とされる文面)、そして検証用スクリプト名(例:verify_octastick.py)が明示されています。さらに参照元としてESTCやEEBO-TCPなど複数の史料データベースが挙げられており、単なる主張ではなく再現可能性を意識した形跡があります。
ただし注意点も多いです。復号に使われた「Octastick」と呼ぶ別手順では9文字が未確定のままで、原本に当たる1652年版や別版のページ対応が±1ページずれている可能性が示されています。加えて、今回の結果がモデルの出力に依存しているため、プロンプトやモデル内部の影響(いわゆるモデル誤出力)が混入していないか、独立した第三者による再現検証がまだ十分ではありません。
結論として、Fable 5.1の報告は刺激的で、暗号史や文献学の手法に新しい視点を投げかけます。だが現段階では「一案として説得力があるが確定ではない」と整理するのが妥当です。公開されたスクリプトや出典を第三者が実行して同じ結果が出るか、物理書のページ位置と照合できるかが、次の重要な検証点になります。
※ アイキャッチ画像は記事内容をもとにAIで生成したイメージです。