ポーランド南西部、ヴロツワフ近郊の発掘で、紀元前およそ2900年頃と推定される成人男性の墓が発見されました。墓の中からは琥珀のビーズ、燧石(ふいち)の刃、蛇紋岩製の小さな戦斧といった副葬品に加え、根元に穴が開けられた42個の“歯”が首飾りのように並べられていたこと、さらに別個体と思われる頭蓋骨の一部が一緒に埋葬されていたことが報告されています。発掘はヴロツワフ医科大学の研究者の声明に基づきます。
注目点は「歯」と「副葬された頭蓋」です。歯は穴が開けられ首飾りとして意図的に加工されたとみられ、狩猟採集や儀礼で使われた可能性があります。一方で、頭蓋が誰のものか、あるいは斬首などの暴力的処理があったかどうかを示す決定的な痕跡(骨の切断痕など)は現時点で確定していません。また、報告では「人の歯が混じっている」と読む向きもありますが、歯の種別(人歯か動物歯か)を確かめる分析結果はまだ公表されていません。
年代は戦斧の様式から約2900年前と推定されていますが、放射性炭素年代測定などの確定数値は示されていないため、時期の精度にも注意が必要です。現状でわかっているのは、意図的に加工された歯の首飾りと別個体の頭蓋が同伴する珍しい埋葬様式が観察された点で、当時の埋葬や儀礼の習慣、あるいは個別の社会的扱いをうかがわせます。
どこまでが事実でどこから推測かははっきりさせる必要があり、研究側も追加の分析を進めるとしています。日本では副葬に別個体の頭蓋や多数の歯を配する埋葬は一般に馴染みが薄く、発見の異様さが際立ちます。今後の具体的な分析結果で、儀礼的行為なのか暴力の痕跡なのか、より明確になるでしょう。
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